このカテゴリーでは、さまざまな問題を抱える秋田県の医療の現状について解説します。
がん死亡率全国1位…秋田の医療の現状
現状、世間では秋田県の医療はレベルが低いと考えられているようです。
しかし、21世紀の医療を守る会の福田光之理事によれば、秋田県のがん医療には、にわかに信じがたい裏事情が潜んでいるようなのです。
今から10年以上前の事になりますが、2001年に厚生労働省の主導で全国でがん診療拠点病院の募集が行われました。しかし当時は、秋田県庁の方針に従い県内病院は積極的に拠点病院申請を行わなかったのだとか。
なぜならば、がん診療拠点病院に認定されたからといって、いきなり完璧な設備が整うわけではないからです。
むしろ、認定されることで「あの病院は国立がんセンターみたいな病院に違いない!」と誤解されるほうがマイナスだと判断したわけです。
これ自体は賢明な判断だったと思います。がん診療拠点病院という単語が普及していない段階で安易に認定を受けても誤解を生むだけですから。
しかし、2007年になって秋田県は方針を変更。がん診療拠点病院の認定を受けたほうが良いと考えられるレベルまで制度が普及してきたことから、13病院を推薦したのです。そのうち2病院は条件を完全に満たしており、秋田県にがん診療拠点病院が誕生するのは確実と思われました。
今でこそ8病院が認定を受けていますが、これほどの紆余曲折を経た末のことだったのです。
このような状況を知っても、まだ秋田の医療レベルが低いと感じるでしょうか?がん診療拠点病院に限らず、認定制度には政治的な問題も絡んできます。認定数が少ないからといって、一概に医療レベルが低いと言えるものではないのです。