このページでは、秋田県の抱える“自殺率の高さ”という深刻な問題について考えていこうと思います。
なんと17年連続全国1位…秋田の深刻な自殺率
秋田県は、人口10万人あたりの自殺者が32.3人。日本全体では23.8人ですから、30%近く上回ってしまっています。
しかも2012年の段階で17年連続ワースト1位という全く喜ばしくない記録を更新中…。
恐ろしいことに、秋田はかつて、日本一どころか世界第2位の自殺率を記録したこともあるほど。2002年の世界1位はリトアニアで、10万人あたり44.7人、これに対し秋田は42.1人で、3位のロシアの38.7人を大きく引き離し第2位となりました。
さらに、2003年には秋田県としてのワースト記録である人口10万人あたり44.6人という数字を記録しています。
しかし、希望の光がないというわけではありません。
ただ、秋田県の人口そのものが減少する一方なので、自殺者の比率は高い水準のまま。17年連続ワースト1位という記録には、こうした統計上のカラクリも関係しているのです。
それに、順位ばかりをを気にしても仕方ないという側面もあります。他の地域で自殺率が上がったことで秋田が自殺率ワースト1位の汚名を返上しても、それでは喜べません。やるべきことは1つ。秋田県の自殺者を徹底的に減らすことです。
元を正せば、日本自体が年間3万人の自殺者を出す国。遺書・状況証拠から確実な場合だけで3万ですから、実際はもっと多いでしょう。これは秋田だけでなく、日本という国全体が立ち向かうべき社会問題だと思います。
自殺という問題は、それ自体が難しい
ただ「自殺を食い止める」と言うのは簡単ですが、ここには倫理的・哲学的な問題が潜んでいます。
一般的な捉え方では“生きていたほうが良いに決まっている”というのが普通ですが、深く考えていくと容易に答えが出せない問題なのです。
他に方法が浮かばないまでに思い悩んだ人が、止むを得ず下す“自殺”という結論…これを強制的に止める権利が第三者にあるのか、という問題です。つまり“生存を義務として良いのか”ということですね。
生存権というのは名のとおり権利であり義務ではありません。もし生存を義務と捉えるなら尊厳死はいかなる場合も許されないことになります。ルールというのは万人に平等に課されるものですから“尊厳死は解禁する方向へ、でも生きることは義務”というわけにはいきません。
医療従事者として、どう考えるか…極めて難しい問題だと思います。
そもそも自殺が多い原因はどこに?
ひとくちに自殺と言っても事情はさまざまです。借金苦から死を選ぶ人もいれば、漠然とした不安から命を絶つ人もいます。止められる自殺なのかどうかも含め、まず秋田の自殺率が高い理由を知らなくてはいけません。
自殺の原因となる要因は大きく3つに分類されます。
秋田県は高齢化率が全国でもっとも高く、もともと仕事が少ない地域なので高齢になると職を失う方も多いため、この要因は大きく影響しているでしょう。
実際、リーマンショックの後などに若年者の自殺率が約2倍になったというデータがあり、経済要因の自殺はかなりの比率を占めているようです。秋田県の平均年収は358.6万円で全国45位(ワースト3位)ですから、経済面も大きな要因になっていると思われます。
いずれも公的なレベルで因果関係が認められているものではありませんが、完全に無視できるものでもなさそうですね。日照時間が少ないとビタミンDが不足し、その影響で精神安定作用のある脳内物質セロトニンが減少して精神状態が悪化する、というメカニズムを提唱している方もいますし、電磁波の影響はアメリカではもはや常識です。
日照時間が少なく、暖房器具を多用せざるを得ない秋田県の自殺率が現実に高い以上、原因となっている可能性があるという認識でいた方が良いかもしれません。
カウンセリングを受けられるような心療内科・臨床心理士が常駐する機関を増やしていくこと、そして高齢期のケアを行うための老人福祉施設・老人保健施設を充実させること。
目下、秋田県の自殺率を下げるために出来ることは、以上の2つだと思います。
他者とのコミュニケーションを活発にすることで自殺を食い止められる可能性が高まるのは間違いありませんので。