このページでは、秋田県のへき地医療問題を解説していきます。
県内14地区!無医地区のへき地医療を考える
へき地医療という言葉が一人歩きしていますが、へき地とは何でしょうか?まず、その定義を再確認してみたいと思います。一般名詞としては田舎を指すのですが、医療分野の“へき地”には明確な定義があるのです。
へき地というのは、交通網・自然条件・経済条件・社会的条件に恵まれない離島・山間部などの地域で、医療の確保が難しくなっている場所を指します。
無医地区や、医師がゼロでは無いものの近隣にはいない地区、へき地診療所が開設されている地域(半径4km以内に1,000人以上が居住し、かつ医療機関が無い地区に設置される)などは、すべてへき地に含まれるわけです。
全国に800ヶ所くらいあるそうで、秋田には7市町村に14地区。無医村としては、上小阿仁村が特に有名です。
へき地医療に必要な人材とは?
へき地医療の中心となるのは近隣にある診療所・小規模病院ですが、もちろん、それだけで完結するものではありません。
小規模な医療機関だけでは開設できる診療科目にも限りがありますし、設備だって何かと不足しがちです。
小規模な医療機関をサポートしてくれる他エリアの大病院や、専門医の巡回、そして人数が足りない時に代役の医師を派遣してくれる病院。これらすべてをひっくるめたものが、へき地医療の全体像といえます。
外科・内科・小児科・耳鼻科などなど多くの診療科目を熟知していることが必要なのです。こういった総合能力に秀でた医師を“プライマリケア医”と呼び、この人材がへき地医療を支えていく上での核となります。
もちろん医師だけでなく、看護師もまた、総合的な能力が問われるでしょう。へき地医療で求められるのはスペシャリストではなくゼネラリストなのです。
なお、専門看護師資格の中には地域看護専門看護師・訪問看護認定看護師といった資格が存在します。へき地での1次医療に携わるためには地域看護の知識が必要ですし、無医村では訪問看護師の需要は非常に高いですから、こういった資格を取得しておけば採用確率がぐんとアップするでしょう。
あらゆる患者を診察しつつ、必要に応じて大病院のサポートを受けたり、手に負えない状態の患者を近隣の大病院に回していくこと。これが、へき地医療を支える医療従事者の仕事です。
へき地医療拠点病院に勤めてみる?
こうしたへき地医療の中核を担うのが、へき地医療拠点病院です。ちなみに単語のイメージとしては大きな病院っぽく感じますが、実際には診療所レベルの場合がほとんど。
タイミングによっては求人が出ていることもありますから、挑戦してみるのもよいのではないでしょうか。
ただ、その際にはコンサルタントによる転職サポートを受けることが必須。中には、上小阿仁村という無医村のように外部から来る人間を快く思わず、赴任してきた医師に一部住民が嫌がらせを繰り返して短期間での辞任が相次いでいるような例もあります。
地域の特性を良く理解したコンサルタントに情報を提供してもらい、好待遇で気持ちよく働ける地域に転職したいものですね!そういった場所では気分良く働くことが出来ませんから、候補から外すしかないでしょう。
無医村側の意識改革もまた、へき地医療を考える上で重要ということでしょう。ですが、それは役場の仕事!