家庭医養成プログラム

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ここでは、地域医療を支える家庭医の意義について考えていきましょう。

欧米におくれを取っている日本の家庭医!

家庭医家庭医というのは地域住民の健康を守るための医師で、診療科目・年齢層・性別などの条件を限定せず、総合的に診察を行うものです。

町医者的な役割を担う医師で、総合医・ゼネラリストと言い換えても良いでしょう。自分で診療できるものは診療し、状況によって専門医を紹介する医師です。

日本では専門医と町医者が働いている病院によって区別されているようなものですが、欧米では完全に別々の道とされているのも有名な話。医学の教育段階でさえ、完全に異なっているくらいです。

対して日本では、家庭医療専門医として初めて家庭医の認定審査が行われたのが2009年。このあたりは欧米に大きく遅れを取っています。

その原因は、日本の医学教育が研究に偏っていること。研修医の約80%は大学病院に送り込まれ、そこで配属された領域に偏った研修を受けます。さらに研修を終えて医局へ行くと、今度は教授の指導下で医学研究に従事。臨床の場で訓練を受ける機会がほとんどないのです。

対してアメリカでは患者とのコミュニケーションを学びつつ、幅広い診療科目で臨床に携わる実務研修を受ける家庭医の制度が確立しています。内科、外科についで家庭医研修を受ける医師の人数は3位。実際的な臨床訓練を受けていることで高い診断能力を持っていると言われます。

日本はドイツの医学から多くを学びましたが、そのドイツはすでにアメリカ型にシフト済み。日本もまた臨床重視の家庭医育成をはじめるべき時期に来ているのではないでしょうか。

家庭医養成プログラムとは?

秋田県では“総合医療・家庭医研修センター”で家庭医の養成が行われています。JA秋田厚生連の秋田組合総合病院が設置したもので、総合診断能力に優れた医師を育成することが目的。将来的には地域医療を充実させるために若い医師を指導していけるような、優れた総合医を育てるための研修センターです。

日本プライマリ・ケア連合学会

この研修を修了すると、日本プライマリ・ケア連合学会が許認可する家庭医療専門医の受験資格、そして日本内科学会の認定内科医の受験資格を得ることができます。

最終的な進路としては、二次救急医療を行う基幹病院で総合的な診療を行う医師になる他、訪問診療を行ったり診療所で働く家庭医になるなど様々な方向が考えられるでしょう。

経済的に不安がある場合、月額20万円の研修資金貸与を受けることもできますので、意欲さえあれば誰にでも門戸が開かれていると言えます。貸与の期間は、最大3年です。

プライマリ・ケアと看護師

家庭医が行う1次医療・総合医療のことをプライマリ・ケアと呼びます。かかりつけ医・家庭医がプライマリ・ケアを行い、診療できるものは診療し、手に余る場合は2次・3次医療を行う専門的な医療機関に紹介していけば、効率的な医療を提供できるというわけですね。

プライマリ・ナーシング実は、この考え方を看護師に応用したものがあり、それをプライマリ・ナーシング(主治看護師制度)と呼んでいます。

これは、1人の看護師が担当患者のケアに責任を負い、入院から退院まで面倒を見るというもの。

責任が大きくなってしまいますし、性格的に面倒な患者を受け持ってしまうと精神的なダメージが大きいという問題もありますが、仕事にやりがいを求める看護師さんによっては魅力的に映るかもしれませんね。

プライマリ・ナーシングの傾向が強い病院に勤めたい場合には、その旨を転職コンサルタントに相談するのも良いでしょう。